Tuesday, February 09, 2010

剛腕 小沢一郎

『東京地検特捜部による不起訴処分を受け、民主党の小沢一郎幹事長が、堰を切ったように剛腕をふるい始めた。8日、首相官邸を訪れ、鳩山由紀夫首相から続投へのお墨付きを取ったうえ、定例会見では強気の発言に終始。自らの政治資金規正法違反事件は幕引きし、世論の辞任論はマスコミに責任転嫁、米国の訪米要求に対しては、オバマ大統領に“国賓級”の対応を条件として突きつけたのだ。その背景には、怨敵・検察に勝利した高揚感と同時に、失脚に追い込まれることへの恐怖心があると見る向きもある。

 小沢氏は8日、縦横無尽に動いた。

 「今後、国会や夏の参院選が目標になる。私自身がこの仕事を続けてよろしいか」。同日昼、首相官邸でこう切り出した小沢氏に、鳩山首相は「はい。ぜひ一生懸命がんばってください」と即答。直前の予算委員会では小沢氏の責任について「当然ある」と答弁していたにもかかわず、会談で苦言を呈したり、続投に条件をつけた形跡はない。

 帰り際、小沢氏は事務方に笑顔で「ご苦労さん」と声をかけ、「終始、上機嫌だった」(政府関係者)という。

 小沢氏周辺は「意気軒高だよ。やる気に満ちている。髪の分け目も変えて、心機一転だ」と話す。

 実際、同日夕の記者会見でも、強気発言を連発。

 冒頭こそ陳謝したものの、報道各社の世論調査で幹事長辞任論が軒並み7割を超えたことを問われても、笑みを浮かべながら、「ここ1カ月にわたり、小沢一郎は不正なお金を受け取っている、けしからん人物であるという報道が続いた。小沢一郎は潔白だったという報道を続けていただき、その後に世論調査をしていただければ」と強弁。同じ趣旨の質問をした記者には「聞いてた?」と逆質問する余裕もみせた。

 また、説明不足との指摘には「強制捜査を受け、2度事情の説明をした。その結果、これ以上の説明はないんじゃないかと思う」と述べ、不起訴処分となった以上、説明責任は果たしたとの認識を示した。国民に対する事実上の説明拒否、検察への勝利宣言とも取れる。

 話は外交にもおよび、米国側から「民主党としてゴールデンウイークにでも訪米団を送ってほしい」と要請があったことを明かし、「せっかく行くとすれば、(オバマ大統領との会談は)それなりに十分な時間を取っていただかないと困る」と伝えたエピソードも披露した。昨年末、小沢氏を頂点とした民主党議員団が中国を訪問し、胡錦涛国家主席が集合写真や議員ひとりひとりとの記念撮影に応じた姿が重なる。

 記者会見後には、石井一選対委員長らと会談。来夏の参院選の公認候補者について、月内にも現職、新人含め100人を公表することを決めた。

 さらに、自民党を離党していた田村耕太郎参院議員=鳥取選挙区=が同日、民主党入りした。民主党と国民新党などの統一会派で事実上の参院過半数(121)を確保し、社民党抜きでの法案可決が可能となった。民主党幹部は「社民党が好き勝手できる環境ではなくなった」と話す。

 こうした小沢氏の動きについて、民主党関係者は「小沢氏の恩人にあたる田中角栄元首相、自民党の金丸信元副総裁が敗れた検察に勝ち、高揚感に包まれている。参院選まで続投は確実だ」と手放しで歓迎した。

 ただ、別の見方もある。民主党ベテラン議員は「幹事長だからこそ、公認権や政党助成金などのカネの分配をする権限があり、衆院の新人140人や参院議員を握れる。身を引いて自らの意を汲む人物を後任に据えても影響力を残せるとは限らない。世論に負けて辞任すれば、永遠に失脚する可能性があるだけに、国内外に権力を誇示することで、幹事長続投の既成事実を作ったのだ」と話している。

 実際、反小沢の“七奉行”を中心に辞任論はくすぶり続けている。

 枝野幸男元政調会長は同日朝の街頭演説で「国民の大半が小沢氏の説明に納得していない。政治を変えるために身を引くことも含めてけじめをつけるべきだ」と訴えた。渡部恒三元衆院副議長も「小沢君が世論調査を聞いていれば、政治家として応えていくだろう」と自発的辞任に期待感を示した。

 また、反小沢の中堅議員は「検察は検察審査会で『起訴相当』となることを織り込み済みで不起訴にした。結局は強制起訴になる。勝負はそのときだ」と語り、「会見は国民無視で傲慢、ととられかねない」とも話す。 それだけに、小沢グループ内からも「参院選に勝つために、自ら身を引くという選択肢はある」という声もでているが、剛腕幹事長の未来は、果たして…。』2010.02.09ZAKZAKから

なんか怖い人だなぁ。
野望を持っていそう。

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